うぉぉたぁぁめろん

身内さん向けです。身内創作企画キャラのssなど。

愛されたがった少年

※読む前に…※
◇突然のシギディア小説です。
◇私には文章力が元から有りませんが、久々の小説なんでなぜか張り切ってます(((え
◇血描写有り!!
◇シギが病んでる(元からだけど←)
◆やたら長いです。(ここ重要!)
◇それでも許せる方はそのまま↓へ




◆◆◆


静まり返った部屋。

暗く閉ざした窓。

僅かに開いたドアから差し込む光が、部屋の赤く染まった床を照らす。

「………(……体がダルい………)」

腕から滴り落ちる赤い液体をただ呆然と見ていると時間の感覚が狂ってくる。

「……………あ…(…ディアスに会いに行かないと……)」

ふらつく足取りで、ベットから起き上がるとドアへと手を掛けた時に自分の手から血がまだ出ていることに気がついた。

「……血…?……まあいいか……それより早くディアスの所に行かないと……」

愛する彼女に会えると言う期待からか、足早に廊下を駆けた。

◆◆◆

ガチャッ

「…………ディアス……」

彼女が寝ているベットに腰を下ろし、そっと彼女の頬を撫でた。

「……………っ……シ…ギ………?」

僅かに肩を揺らし、こちらの方を向いた。
どうやら今日は起きているようだ。

「…………悪い…起こしたか……」
「………ううん……平気……」

4日ぶりに見た顔は相変わらず目を閉じたままの状態だった。

「………………ごめんな…無理矢理起こしたみたいで……」
「……大丈夫………ただ、今日はちょっとだけ咳が酷くて………ケホッ…ケホッ………」

咳き込んだ彼女の額を触ると、熱くなっている事が分かった。熱があるようだ。

「…………!!……わかった…今日は安静にしていた方がいいよ。……無理させてごめん…。」
「………え…せっかく、来てくれたから話そうよ……」
「…無理したらダメだって……!」
「……シギヤ………大丈夫だから、もっと一緒に居させて………?」

目を瞑ったまま首を傾げる姿に、つい心を動かされてしまう。可愛いな。

「………わかった…。ただ、無理はしないでくれよな……。」
「………うん。…………………ねえ、シギヤ……」
「………ん?何だ……?」

俺の腕を指でなぞると、突然肩の辺りに激痛が走った。

「…………………………その腕、血が出てる。」
「……え………?」

今まですっかり忘れていたが、そう言えば俺、左腕を切っていたんだった。

「…………これ、自分でやったの?」
「……さあ?……無意識…かもな。」
「……無意識って……この間も無意識っていって傷付けてたよ…?」
「…ごめんごめん、次は…気を付けるよ(にこっ)」
「………シギヤ……その顔、止めて。」
「……えっ…あ、ごめん。……つい癖で………」

あ、またやってしまった。嘘の笑顔で誤魔化してしまった。せっかく話せたのに、4日ぶりに会話できたのに。

「……それよりさ、ディアスが寝てる時に面白い事があったんだよ。」
「…?………何があったの?」

何とか会話を盛り上げようと、自分以外に起こった出来事を話をしてみる。彼女を悲しませないようにする。そんなことばかり考えて話していると時間はあっという間に過ぎていった。

「………ごめ…ん………シ……ギ………」
「……あ、もう寝るか…?」
「………う…ん……ごめん…ね……」
「……何言ってんだよ……謝らなくていいって…………おやすみ…ディアス…。」
「………おや…すみ……シギ…ヤ…………」

そう言って、彼女は深い眠りに落ちた。
俺は部屋から出ると、暫くドアにもたれ掛かり考え込んだ。


この状態はいつまで続くのだろうか?

いつになればディアスは回復するのか?







―――いつになれば、俺達は幸せになれるのか?



そんな事、考えても無意味だと分かっていた。

もしかしたら、このまま助からないかも知れない事も分かっていた。

…………でも、それでも

ディアスが死んでしまうなんて、恐ろしくて考えたくも無かったから。

きっとこんな事を考えてしまうのだろう。



「………なんで俺は…何も出来ないんだよ……!」



◆◆◆

最近俺は、部屋から殆ど出なくなった。


俺が部屋から出る時と言えば、ディアスの部屋に行く時か、腹が減った時、後はトイレに行く時位だった。他のメンバーの奴らとは廊下ですれ違う時に会うぐらいで、特にディアス以外とはここ一ヶ月程会話していない。別に誰かと会話しようがしまいが俺にはどうでもよかった。

ただディアスと会えるなら、俺は何も要らなかった。


「…………俺は…ディアス以外…何もイラナイ……」
「………おーい…シーギくーん……?」
「………オ…レは……何もい…ラな……い゛…」
「…え?!ちょ、大丈夫?w」

突然声を掛けられたため、俺はつい腰に着けていた鉈を取り出し目の前にいるそいつに向けた。

「ええっ?!何々なんでそんなに怒ってんの?!危ないよw」
「……あ?誰だお前…………」
「…えっ?誰って…ひっどいなぁーww俺だってwシンクだよーwww」
「ああ、あんたか…………何の用だ?」

このふざけた調子で話す男は、かつて俺が手助けしてやったシンクと名乗る元医者。らしいが本当の所はどうだか分からん謎めいた奴。やたら俺に構ってくるが正直うざいしキモい。

「……何か今日は機嫌が悪いんだねww」
「………別にいつも通りだけど?」
「…ふーんwならいいけどww」
「……で、何か用か?用が無いならさっさと失せろ。」
「…怖いなぁ…wwあ、そうそう。用って言うのはね、君が最近部屋から出て来ないから自殺でも試みているんじゃないかと思ってさww」
「………だったらどうした?」
「…えっ、まさか図星?」
「……まあ、自殺まではいかないけどな。」
「……だからその手、そんなに傷ついてるんだぁーwww」

こいつ、俺に話し掛けつつ細かいとこまで見てやがる。

「………うるせぇな…あんたには関係無いだろ。」
「…でもそんな事してたらきっとディアロ君も悲しむだろうなぁww」
「……それ以上喋んじゃねぇ………」

そう言って俺は、持っていた鉈をシンクの首元に突きつけた。

「……うわーおwwわかったよw今日はこれぐらいで消えるからw」
「………チッ……黙ってろ………」
「……この短時間じゃこれ位の治療しかできなかったけど…これ以上やらない方が良いよ。ディアロ君の為にも、自分の為にも、ね。」
「…………!?…クソッ……余計なことすんな…(…こいつ、いつの間に俺の腕に包帯なんて巻いたんだ……?!)」

自分の腕を見てみると、さっき自分で切った所に、包帯が巻いてあった。話に集中してたせいか、包帯を巻かれていることに気が付かなかった。

◆◆◆

部屋に戻ると、ベットに座り込んだ。


なぜディアスは、こんな事になってしまったのだろうか。


なぜディアスなのだろうか。



……………………………俺のせい?




俺のせいだろうか。

(カチカチカチッ…)

俺がディアスを好きになってしまったからだろうか。

俺が誰かに愛を求めてしまったからだろうか。

(ザクッ)



俺 ハ 、誰 カ に、 愛さ れタ か ッ た 。



血が、流れてる


血が、流れてる


こんな血じゃ、償えないよ


真っ黒でどろどろになった心


俺が感情を消した。

理由。

俺を愛した人は、皆死んだ。



両親


その分俺も、見知らぬ誰かを殺した。



俺は一体何がしたかったんだ?




俺は、誰だ?


もう、何も わからない 。


腕に刺したカッターは赤く染まり

真新しい包帯が赤く滲んだ

不思議と痛みは感じなかった

ふと、首に手を掛けた

こんな事しても意味が無いのに

首に掛けた手に

徐々に力を込めていく

息が苦しくなっていく

でも、そんな事どうでもいい

もうどうでもいい




『――――死ねない癖に』






また、明日も


幸せを求めすぎた少年は愛を求めるのです。


――永遠に来ることの無い幸せを願いながら。