うぉぉたぁぁめろん

身内さん向けです。身内創作企画キャラのssなど。

とある元医者の戯れ言その2

ルキ「.......久しいな、黒月。」

 

真っ白な空間に、紅色の髪が揺れる。

 

シンク「........!!...やだなぁ....wその名前で呼ぶなって言ったじゃないですか、ルキサンww」

 

どこか聞き覚えのある声に一瞬驚いたようだが、またいつもの調子で話すシンク。

 

ルキ「相変わらず憎たらしい喋り方をしおって......嫌な奴じゃ.......」

シンク「........嫌なのは貴方の方じゃないんですか?人の夢の中にのこのこと入ってきてwプライバシーの侵害ですよ?ww」

ルキ「フンッ.......夢にプライバシーもクソもあるか!わざわざ忠告しに来てやったというのに...!」

シンク「......へぇ.....wwそれはご丁寧にどうもww......で、その忠告っていうのは何の事です?w」

 

『ルキ』と呼ばれた女性は、少しムキになった口調でシンクの前に現れた理由を話し始めた。

 

ルキ「..........とぼけるな...。もう気づいているんじゃろう?自分の体が壊れていることに。」

シンク「ハハッww何を言い出すかと思ったら.....なぁんだ...〝そんなこと〟ですかw」

ルキ「なっ.....なんじゃ...もっと取り乱すと思ったが......」

シンク「....そんなことじゃ俺は取り乱しませんよw...その忠告っていうのが、ハルに何かあるっていう内容だったら話は別ですがww」

ルキ「...ハッw自分が死ぬかもしれないという時まで他人の心配かww随分と気楽なものじゃw」

シンク「....他人じゃありませんよw俺の大切な人です。」

 

さっきまで巫山戯た調子で話していたシンクは、急に真剣な眼差しで話し始めた。

 

ルキ「ほお........お主も随分と変わったな。昔は誰にでも愛想笑いをし、誰にも本当の自分を見せなかったのになぁw」

シンク「そんな頃もありましたねぇww」

 

昔を懐かしむように話すシンクの言葉には、どこか嘘臭さが感じられた。

 

ルキ「まあ、それは良いとして.....そろそろ〝限界が来てる〟んじゃないのか?その目にも。」

シンク「.........!」

 

不意に突きつけられた〝現実〟に、シンクは言葉を詰まらせた。

 

ルキ「.........ただでさえ今まで無理をして使っていたというのに......無駄遣いしおって.......」

シンク「無駄遣いじゃありませんよw人助けですよw」

ルキ「........あのシギという男の命を救ったようじゃが...あれだってお主には関係ないじゃろう...」

シンク「......あれは.....昔彼に助けてもらいましたからね....その借りを返しただけですwあのまま目の前で死なれても後味悪いですしww」

ルキ「自分が死んででもか?」

シンク「うーん.....俺が死ぬとハルが悲しむのであんまり乗り気じゃ無かったんですが......あの二人には俺達みたいに幸せになって欲しいんですよ.....wもっとね。しかもシギくんの相手は我らが梅雨組の副リーダーですからねw」

 

相変わらずシンクは恋人の遥の事を中心に考えており、ルキは呆れたように言葉を吐きだした。

 

ルキ「お前もめんどくさい人間になったものじゃ.....」

シンク「俺のこのおせっかいな性格は元からですからwwしかもめんどくさいのは貴方も同じでしょう?」

ルキ「...フンッ....我はもう人間と呼べるようなものではないがなw」

シンク「そうですよねーもう1500年近く生きてますからねー」

ルキ「おい....お主完全に我の事を馬鹿にしておるじゃろう......」

シンク「何の事でしょうねぇーwww」

ルキ「チッ......まあどちらにせよお主の目はもう見えてないんじゃろう?馬鹿なものだ。お主の事じゃから、相手の事にばかり気を配って自分の体をすり減らしていたんじゃろうww」

シンク「よくお分かりでw」

ルキ「そのうち自分の能力の補いが出来なくなり、本来削ってはならないモノから削っていき自分の体の様々な機能が低下していったわけかw」

シンク「仰る通りですよwwよくご存知でwww」

ルキ「今は余裕をこいているようじゃが.....そのうち耳も聞こえなくなるぞ。もうあまり能力は残ってないんじゃから......無理はするなよw?」

シンク「あらお優しいw俺の体の心配までしてくれるなんてww」

ルキ「なぁに....お前が這いつくばって我のところへ来て、泣きながら助けを求める姿が見たいだけじゃよww」

シンク「……悪趣味な」

 

そう呟き、顔をしかめたシンクを他所にルキは楽しそうに嘲笑った。

 

ルキ「その時が楽しみじゃよ……ww」

 

ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべながら、ルキはシンクの事を睨んだ。ぞくりと何とも言えない違和感がシンクの背筋に走った。

 

 シンク「…そうならないようにしますよ…w」

 

 シンクがそう呟くと、既にもうルキの姿は見当たらなかった。

 

***

 

暁「..............んせい.....先生?............先生!........大丈夫ですか?」

シンク「...........ん.......あかつ....き?」

暁「...........すごい汗ですよ?何か悪いことでもあったんですか?」

シンク「え?!ああ....!いや、なんでもないよ!ごめんごめんw......ちょっと外行って頭冷やしてくるよ!!」

暁「........は?!.....ちょ、どうしたんですか!?待ってください!!先生?!」

 

そう言うとシンクは、慌てた様子でおもむろに外に飛び出した。

 

***

 

シンク「...........はあ..はあ...........」

 

突然走り出したせいか、やけに息切れがする。

 

シンク「........う....冷た..........雨.....かな?」

 

一瞬感覚が鈍ったせいか、降り注ぐ雨に気づかなかった。

 

シンク「.......はは....雨にも気づかなくなったなんて.....あの人の言った通りだな...w

しかも裸足だし....w」

 

慌てて飛び出したために、裸足のまま外に出ていたようだ。

 

冷たい雨は体中の感覚を麻痺させていった。

もうどれくらいたっただろうか?

ふと自分に目をやると、髪も服もびしょびしょになっていた。

 

シンク「うわ.......ぼーっとしすぎたかな........w」

 

ガチャッ!!

 

(ビクッ)

 

いきなり開いたドアに驚き、体をびくつかせた。